
LGBTに関することを調べていると、よくニュースなどで「〇〇さんがゲイであることをカミングアウト!」や「レズビアンであることをカミングアウトしている〇〇さん」などといった文を目にすることはありませんか?
文脈からもなんとなく理解はできますが、このカミングアウトについて今一度しっかり説明します。
カミングアウト
・・・それまで秘密にしていたこと(主にセクシュアリティ)を周囲に明かすこと
もともと英語で自身のセクシュアリティを周囲に明かすことは “Come out of the closet”(クローゼットの中から出る)と言われていました。隠していること、他者に言えずに殻にこもった気持ちを「クローゼットの中」に例えた表現としてこのような言い回しが生まれたようです。
それが短縮され、現在のように “Come out” が用いられるようになりました。
さて、このカミングアウト。自分のセクシュアリティについて考え、自覚し、それを他人に伝え理解を得ようとするこの行為は、人によっては人生の分岐点とも言うことができる非常に重要なライフイベントです。
【 知っておかなくてはならないこと】
カミングアウトは必ず ”自分自身の意志で” 行うものです。他人が勝手にだれかのセクシュアリティをばらしてしまうことは絶対にしてはいけません。このような行為は「アウティング」と呼ばれます。
本人がカミングアウトしていないセクシュアリティを服装や態度などで他者が決めつけそれを他言することはもちろんですが、たとえ本人からカミングアウトを受けたとしても、その人の許可なくそれを他人に話すことも避けるべきと言えます。
カミングアウトは自分が自分らしく生きるための選択肢。必ずしなくてはならないというわけではありません。一方で、LGBTの多くの人が「カミングアウトしたい」という気持ちを抱えているのは事実です。
しかし、やはり周囲が無意識に表す態度や言葉が大きな壁になってしまうことがあります。カミングアウトの大切さや、自分らしく生きることの素晴らしさを社会全体で理解して、思いやりある社会づくりをすることが大切ですね。
<カミングアウトに関して悩みを抱えている方へ>
自分が思っているより周囲って寛容かもしれません。ずっと気になっていたあの言葉も、あの笑いも実はそんなに深い意味はないかもしれません。そして何より、あなたにはたくさんの味方がいろんなところにいることを忘れないでください。カミングアウトをしていてもしていなくても、私たちはあなたの今の決断をいつでも支え、応援しています。
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様々なカミングアウトストーリーを詳しく知りたい方は
4. LGBTが日本で抱える悩み
さて、ここまでLGBTについての基礎知識を紹介してきましたが、そもそも皆さんはLGBTに対してどんなイメージがありますか?
「少数派の人たち」、「支援が必要」、「レインボーパレード」、「 “オカマ” 」….
様々なイメージがあると思います。中でもLGBTは、マイナスイメージと結びつけられて考えられることが多いのではないでしょうか。一方、それに対する反発として「別にLGBTでも幸せに暮らしている」「LGBTだからといって不自由を感じたことはない」との声が上がっているのも事実です。
確かに、執筆者もパンセクシュアルですし、Xジェンダーですがそれによって不自由を感じたことはあまりありません。社会には幸せに自由に自分らしく生きているLGBTもきっとたくさんいるのでしょう。もしかしたらそのような人たちにとっては「LGBT」をこんな風に取り沙汰する必要性はないのかもしれません。
しかし、だからといって私たちが絶対に目を背けてはいけないのは、LGBTであることで様々な悩みを抱えている人がいるという紛れもない事実です。今実際に「LGBT」が抱える問題はなんなのか、様々な角度からご紹介していきます。
【教育】
①義務教育とLGBT
まず、日本の義務教育内容にLGBTに関する教育は含まれていません。しかし、JobRainbowは小・中学生の段階でLGBTに関する教育を行うことは自他共に理解を深める上で非常に重要なことだと考えています。
執筆者が自分はパンセクシュアルであり、Xジェンダーであると気づいたのは高校生〜大学生の時でした。
しかし、それは執筆者がLGBTに関して積極的に学び、考えてきたからこそわかったこと。だからこそ、執筆者にとって身体的性や性的指向なんて「髪型」みたいなものなのですが、ごくたまに周りの人から「LGBTって普通に病気みたいなものじゃないの?」と平然と言われることがあります。実はこのような思いを持っている人って実際に少なくないのだと思います。
面と向かって「病気」と言われてしまうのは多少傷つきますが、相手も悪気があるわけではありません。
多くの人が純粋な気持ちでLGBTは「異常なこと」と思っているからこそ、LGBTは「異常」ではないことを知っている私たちは、このような意見にまっすぐ向き合って、きちんと説明することが大切です。
最近、東京都でもLGBTに対する差別禁止が明記されている条例が成立しましたが、「気持ち悪い」「病気」「理解出来ることはない」と考えている人に頭ごなしに「差別するな!」「そんなひどいこと言うなんて!」と訴えかけても、その人たちの心に残るのは「我慢」や「不満」なのではないでしょうか。
真の理解や差別のない社会を目指すためには、社会を支える行政が教育を通して私たちに平等に与えられている無限大の選択肢や多様性をきちんと説明することが大切です。
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LGBTを取り巻く教育事情についてもっと知りたい方は
②いじめ・不登校・自殺とLGBT
また残念なことに、いじめ・不登校・自殺ともLGBTは大きく関わります。
2014年に発表されたLGBTの学校生活に関する実態調査結果報告書では、約7割のLGBTの生徒が学校生活でいじめを経験したことがあると回答し、小学校時代のいじめが一番多いことがわかりました。また、LGBTの自殺を図るリスクは異性愛者の約5.9倍という調査結果も出ています。
周囲からの直接的な誹謗中傷の他にも、LGBTをからかうような表現や会話を見聞きするなどの間接的な要因で不安を抱え、周りに受け入れられないのではないかと自分のセクシュアリティを押さえつけ、苦しい思いをする人は少なくありません。
LGBTはからかいの対象にして良いといった認識を無くすためにも、特に教育の場でしっかりと性的指向や性自認について学べる機会がさらに増えることを祈っています。
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